第五波と言われる感染の波は、未曾有の感染力の強さで瞬く間に日本列島を席巻し、勢いは止まる事が予想出来ない状況です。

第一波、ニ波の際にコロナウィルスの感染力の強さや危険度を当道場の会員の皆様に訴えて、批判を受けましたが、今でも私の持論に変わりはありません。以前、ワクチンが国民全体に行き届かない限り、または特効薬が出来ない限り感染が防ぎ切れるものではないという事を申し上げ、稽古の自粛に入りました。

道場の活動を自粛している間、道場の少年部会員は進級、進学をして、それぞれ空手以外の道を見つけた子どももいると思います。また、その間に中止になった大会、開催した大会もありました。そして残念ながら、道場の活動を自粛してから一年以上になります。

私事ですが、私事では済まないのでお話しします。私ならびに私の妻は医療の一端を担う医療従事者です。医療従事者である以上、自分らが感染する訳にはいきません。自分たちの患者様のみならず、その家族の方々にも感染を拡げてしまう可能性があります。自分も妻もほぼ家と職場の往復のみで、どこにも出掛けておりません。コロナウィルスに対する考え方は人それぞれですが、私たちは医療従事者として、またコロナウィルスを知る者として出来る限りの感染対策をしています。

空手は大会やトーナメントで勝った負けたではありません。むしろ生き方の方法を示す道であり、道場はその道を学ぶ場です。つまり、道場という場所がなくても空手を学ぶ気持ちが有れば、いつでもどこでも道場であり、師が目の前にいなくても師の教えを反復し、守っていれば、道場と同じであり、師や仲間たちとの絆は失われないという事です。

残念ながらコロナ禍はまだしばらく続き、今までの生活を取り戻すまでにはかなりの時間を要すると思われます。

医療体制が逼迫しているいま、無理に活動を再開して、感染してもさせても大変なリスクになります。

今しばらく自粛をお願いし、感染が収束したあかつきには、また道場が再開出来る事を切に希望いたします。取り止めのない乱文になりましたが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

令和三年九月 清心流空手道総本部清心館 館長 千葉 征孝